04.甘酒の製法

四、甘酒の製法

材料(一人分)

 白米 一〇〇グラム

 米麹 二〇〇グラム

速醸法(四時間)    

 イ、まず白米または糯米(もちごめ)その他澱粉性食品を粥(かゆ)状に炊きて、澱粉を糊化せしむ。

 ロ、摂氏六十度(指を七、八秒間漬け得る程度)位に冷ます。

 ハ、粥に麹を投入攬絆し、じゃぶじゃぶとなして摂氏五十五度(指を漬け得る程度)に保つこと三、四時間なるときは甘味を生ず。

 ニ、そのまま煮沸し適宜の濃さとなし、飲用す。

備考

 イ、麹を混ぜる前これを細かく砕きて三十分間摂氏六十度の湯を入れて、じゃぶじゃぶの程度となすときは醗酵速やかなり。

 ロ、以上の米と麹を混ぜ合わせたるとき白砂糖少量を入れて混ぜ合わすときは、醗酵なお速やかなり。

軟醸(一夜)

 イ、速醸法と同様に粥を炊き、摂氏六十度位に冷ます。

 ロ、次に麹を投じてよく混合し目張りをなし、一夜摂氏五十度内外に保温しおく。

 ハ、その後煮沸し、適宜の濃さとなし、飲用す。

硬醸(二、三日間)

 軟醸の粥の代りに飯を炊き、同様の処置をなし二、三日間放置す、ただし放置期間の温度は前よりも低温度にてよし。

備考

 イ、白米の代りに轜米を用うるか、または混ぜ合わすときは味さらに佳良なり。

 ロ、温度高きに過ぐれば酸敗するの憂あり、温度の取り方は最初、液体用温度計を使用し会得するを可とす。

 ハ、飲用法として少量の食塩およびぎり生姜を用うるときは美味となる。

 ニ、右いずれの場合においても出来上がりたる際、火入れをなしおくものとす。