07.支那饅頭〔中華饅頭〕の製法
七、支那饅頭〔中華饅頭〕の製法
小麦粉一袋を基として老麺を種とする製法を示す。
材料
老麺 一キログラム
重曹 約二〇〇グラム
小麦粉 二二キログラム
砂糖 七〇〇グラム
温水 一一リットル
生地の混提
イ、老麺一キログラムを約五リットルの温水に溶き混ぜ、十分間放置す。
ロ、砂糖は全部〇・五リットルの温水に溶きおく。
ハ、小麦粉は手粉を残して全部を篩にかけ、捏ね槽にとり砂糖液と温水五リットルを加えかき混ぜ、およそ混じり合いしころに前記水溶きの老麺を加え、じゅうぶんに提ね上ぐ。
生地の醗酵
かくして捏ね上げたる生地は華氏八十ないし八十五度の温室にて約七ないし十時間醗酵せしむ、醗酵終れば重曹約二〇〇グラムを温水半リットルに溶き、これを生地に加えて混提す、この生地の一部を残して次回仕込み〔調合〕の種とする。型取り、蒸し上げ生地はこれを一個五〇グラム位大のものに切り割き、表面を滑らかに丸めて蒸籠に並べ、七、八段重ねの蒸籠を用い、漸次蒸し上がりしものを最下段より取り出し、漸次新たに上に重ね行く、一、二段籠くらいの少量を蒸す場合にありては華氏百ないし百二十度位の温所に十分内外焙炉をとり、蒸し始むるごとくし、一般に蒸し方は急進に加熱せざるごとく注意する必要あり。
備考
なおこの老麺を種とするほかに硬酵種を用うる製法あり、硬酵を種とせば醗酵時間三時間位して重曹を使用せざる饅頭を製し得。