50.茶碗蒸し

五〇、茶碗蒸し

材料(一人分)

 白身の魚肉(または竹輪、蒲鉾) 二〇グラム

 煮出し汁 二七〇ミリリットル

 百合根 二〇グラム

 砂糖 少量

 乾椎茸 一グラム

 三ツ葉(または青豆) 少量

 醤油 少量

 卵一個 六〇グラム

 食塩 少量

 味の素 少量

準備

 魚肉は薄く切り、竹輪は薄く木口切りとし、乾椎茸は温湯に浸して軟かくして足を切り、三ツ葉は三センチ位に切り、百合根は一枚ずつ剥がして黒き部分を去りてざっと茄で置く。

調理

 前記の材料を蒸し茶碗に調和よく盛り置き、別に深鉢の中に卵を割り入れてよくかきまぜ、冷やした煮出し汁、砂糖、食塩にて調味し、醤油二、三滴および味の素を入れたるものを茶碗の八分目ほどに注ぎ入れ、蒸籠にならべ弱火の釜にかけて約十八分間蒸す。

備考

 イ、茶碗蒸しの中には普通あなごの素焼き、栗、銀杏、鶏肉、魚肉等種種なる材料を用うれども、なるべく消化し易きものを用うべし、なお材料の中にうどんを混ぜるときは「小田巻蒸し」となり、豆腐のみを用うるときは「金銀蒸し」となる、いずれも軟菜(調理)に適す。

 ロ、茶碗蒸しの出来栄えは主として卵と煮出し汁の比例によるものにして、一人前の分量を規準として正確にその量を計り、目分量によりて配合すべからず、また蒸籠は常に中火を用うること。