西洋料理 18 マヨネーズ・ソース

第四章 基本調理第二 西洋料理

八、サラダ類

(ロ)マヨネーズ・ソース

材料(五〇人分)

鶏卵(黄身):40グラム

オリーブ油:1.8リットル

ベネガー(酢):1.2リットル

塩:少量

胡椒:少量

洋辛子:少量

調理法

一、黄身を瀬戸引き器に入れ、洋辛子および塩胡椒を加え攪拌し、オリーブ油5、6滴加えて攪拌を続けると硬くなる。

二、これにベネガーを加え掻き回し、次に油を徐々に混合しながら十分掻き混ぜる。そうするとごく滑らかな糊のようになる。

これがマヨネーズ・ソースである。

参考記事

ベネガーは普通の酢でもよい。オリーブ油は他の植物性でもよい。

西洋料理 17 ハムサラダ

第四章 基本調理第二 西洋料理

八、サラダ類

(イ)ハムサラダ

材料(一人分)

ハム 70g

サラダ菜 50g

ビーツ 100g

マヨネーズ・ソース適宜

準備

一、ハムは大のまま茹でて薄く小口切りとす。

二、サラダ菜は硬い茎を去り、よく洗ってその葉を手で三つ位に切る。

ビーツは茹でて薄く切る。

調理法

一、皿にサラダ菜とハムを体裁良く盛り附け、ビーツを所々に飾りとしマヨネーズ・ソースを添えて供卓す。

二、また、サラダ菜とビーツを別々にソースに和えて、ハムに盛り付け供卓するも可なり。

西洋料理 16 カレーライス

第四章 基本調理第二 西洋料理

七、飯物類

(ロ)カレーライス

材料(一人分)

鶏肉 100g

馬鈴薯 100g

人参 50g

玉葱 50g

小麥粉 20g

ヘット 10g

カレー粉 1-2g

スープ 適宜g

塩、胡椒 少量g

米麦飯

準備

鶏肉は小口切り。馬鈴薯、人参、玉葱(いずれも賽の目切り)。

調理法

蒸鍋にヘットを溶かしカレー粉および麦粉を加えて焦げ付かぬようによく煎りスープを徐々に加え薄いトロロぐらいに延ばし、鶏肉、馬鈴薯、人参、玉葱を入れて塩、胡椒で味を整え十分煮込み、飯を皿に盛りこれをかけて供卓する。

参考記事

多量調理を可とす。

西洋料理 15 チキンライス

第四章 基本調理第二 西洋料理

七、飯物類

(イ)チキンライス

材料(一人分)

鶏肉 100g

玉葱 50g

人参 100g

精米(七分搗) 240g

ドミグラス・ソース

準備

鶏肉は二分角に切る。玉ねぎ、人参は賽の目に切る。

調理法

一、鶏肉、玉葱、人参と洗った精米とバターまたはヘットを鍋でちょっと煎り、これにスープを加えて少し硬き位の飯に炊き上げ、皿に盛りドミグラス・ソースをかけて供卓する。

二、又飯に鶏肉を入れずに炊いて、別に鶏肉は五枚に卸して形を整えドミグラス・ソースで煮込んでおき、飯を皿に盛ってその脇に肉一切れとソースを添えて供卓することもある。

西洋料理 14 ボイルド・エッグス

第四章 基本調理第二 西洋料理

六、茹で物類

(ロ)ボイルド・エッグス

材料(一人分)

鶏卵 100g

塩 適宜

調理法

一、熱湯に入れてから壊れないようにするため、初め微温湯に入れ皮を温め、次に鍋に湯を沸騰させた中に注意して入れ、再び沸騰したとき火から下ろしフタをして約5分ぐらいして取り出すと最も良い半熟となる。

二、なお沸騰したときはそのまま五,六分間煮沸すると完全に茹で終わる。

三、半熟卵は皿に盛って塩を添えて供卓する。

参考記事

全熟卵は料理の材料あるいは旅行に際し携帯用に用いるものであって水に浸して皮を去る。

西洋料理 13 ボイルド・フィッシュ

第四章 基本調理第二 西洋料理

六、茹で物類

(イ)ボイルド・フィッシュ

材料(一人分)

魚(サケ) 120g

塩 少量

ホワイト・ソース

胡椒 少量

麦粉 20g

バター(ヘット) 適宜

スープ

準備

魚肉は170gぐらいに切り、塩・胡椒する(野菜および香草を敷いてシェリー酒等をかければ一層可なり。

調理法

魚肉を砕れないように茹でてホワイト・ソースをかけて供卓する。

附、ホワイトソース

蒸鍋にバターまたはヘットを入れ、麦粉を色のつかぬように煎って魚スープを徐々に加え、トロロぐらいに延ばし、塩・胡椒で味を付ける

参考記事

多量調理を可とする。

西洋料理 12 コロッケ

第四章 基本調理第二 西洋料理

五、揚げ物類

(ロ)コロッケ

材料(一人分)

牛挽肉 100g

ヘット 15g

小麦粉 10g

玉ねぎ 30g

鶏卵 5

パン粉 20g

塩 少量

胡椒 少量

生牛乳(またはスープ) 適宜

準備

一、牛肉は挽肉とする。

二、玉ねぎは微塵切りとする。

調理法

煎鍋に少量のヘットを溶かし、小麦粉を加えて煎り(焦がさぬよう)、後、生牛乳またはスープを加え延ばして挽き肉と玉ねぎを混ぜ合わせ、塩・胡椒で味を付け火から下ろして冷やし、一個75gぐらいに丸めて楕円形に作り、麦粉、鶏卵、パン粉をつけてヘットできつね色を度合いとして揚げる。

参考記事

同じ方法でマーシポテトで包んで揚げたものをポテト・コロッケという。

西洋料理 11 カツレツ

第四章 基本調理第二 西洋料理

五、揚げ物類

(イ)カツレツ

材料(一人分)

牛肉 100g

塩 少量

胡椒 少量

小麦粉 3g

鶏卵 5g

パン粉 10g

ヘット 10g

調理法

牛肉は100gぐらいにビーフステーキより少し薄く切り、塩、胡椒を片面に振り積み重ねておく。

鶏卵は器に割り(15人分に2個ぐらい)よく掻き混ぜ卵と同量ぐらいの水を混ぜておく。

肉に小麦粉を付け、鶏卵を付けその上にパン粉を付けて手で押しつけておく。煎り鍋にヘットを半分ぐらい入れ沸騰させた中に入れ、キツネ色を度合いとして天麩羅のように揚げて供卓する。

参考記事

鶏肉を用いたものはチキン・カツレツ、豚肉はポーク・カツレツ、魚肉類はフィッシュ・フライという。

西洋料理 10 ロールキャベツ

第四章 基本調理第二 西洋料理

(ロ)ロールキャベツ

材料(一人分)

牛肉(挽肉) 100g

生パン 20g

玉ネギ 30g

鶏卵 40g

キャベツ 50g

塩 適宜

胡椒 適宜

麦粉 20g

トマト・ソース 20g

油脂 10g

準備

一、牛肉は挽肉とする。

二、キャベツは葉を一枚一枚剥がし中央の茎を削りちょっと茹でたうえ冷やしておく。

生パンは水に浸し硬いところを除き後水気を切る。玉ネギは微塵切りとする。

調理法

挽肉、生パン、玉ネギを混ぜ鶏卵を加えて塩、胡椒して十分に練り、一個75gぐらいに丸めこれを前のキャベツの葉に包み蒸鍋に入れドミグラス・ソースまたはトマト・ソースをかけ十分に煮込みソースを注いで供卓する。

参考記事

多量調理を可とす。

西洋料理 09 シチュー

第四章 基本調理第二 西洋料理

四、煮込み物類

(イ)シチュー

材料(一人分)

牛肉(バラ) 100g

塩 少量

胡椒 少量

ヘット 15g

麦粉 20g

スープ 適宜

馬鈴薯 100g

人参 50g

玉ねぎ 50g

トマト・ソース 30g 

準備

牛肉を一個40g位に切り、鹽、胡椒をする。

馬鈴薯、人参、玉ねぎ(四つ割程度)

調理法

一、牛肉を煎鍋にヘツト多量を沸騰させた中に入れ、強火にかけちょっと煎り、肉を出し、その煎鍋に少しヘツトを加へ麥粉を入れ焦げないように攪拌し、キツネ色になるまで煎った後、スープを徐々に加え、敏活に混ぜ、トマト・ソースを加えドミグラス・ソースを作り、蒸鍋に移し前の肉を入れ煮込んでおく。

次に野菜を前の肉の中に入れ十分に煮込む。

二、塩、胡椒で味を付けて供卓する。

参考記事

トマト・ソース、シェリー酒、ブドウ酒等を加えれば一層美味なり。この料理に肉を用いたものをビーフ・シチュー、鶏を用いたものをチキン・シチュー、ホワイト・ソースで煮込んだものをホワイト・シチューという。

西洋料理 08 フーカデン・ビーフ

第四章 基本調理第二 西洋料理

三、蒸焼き類

(ハ)フーカデン・ビーフ

材料(一人分)

 牛肉(挽肉) 100g

 生パン 20g

 玉ねぎ 30g

 鶏卵 25g

 塩、胡椒 少量

準備

 牛肉は挽き肉とす。生パンは水に浸して硬いところを去って水を絞る。玉ねぎは微塵切りとす。

調理法

 一、挽肉に生パン、玉ねぎを混ぜ、さらに一回挽き肉器にかけて塩、胡椒で味を付け、

15人分に対して2個位の割で鶏卵を入れて、十分練って適宜の厚さに四角に延ばす。

 二、別に鶏卵を茹で、皮を去って両端を切ったものか、片半分に割ったものか、あるいは四つ割にしたものを前の肉の中央に一列に並べてこれを包み、カマボコ形に作って肉の合わせ目を十分密着させロースト・ビーフのように蒸焼きす。でき上がったならば二、三分位の厚さに切って供卓す。

参考記事

 多量調理を可とす。

 附、ロースト・ポテト

西洋料理 07 ロースト・チキン

第四章 基本調理第二 西洋料理

三、蒸焼き類

(ロ)ロースト・チキン

材料(一人分)

 鶏肉 100g

 塩 少量

 胡椒 少量

 ヘット 適宜

調理法

 鶏の羽毛を去ったまま首の下の皮を切り、餌袋えぶくろを切り去る。次に指を差し入れて内臓を下方に押しやり、校門の周囲の皮を切ってこれから指を入れて内臓を引き出し蒸し焼き中に蘆が延びないように下腹部に小さい穴をあけて蘆の端を差す。これに塩、胡椒をしてロースト・ビーフの通り蒸し焼きにする。出来上がったならば一羽を骨付のまま五枚に卸して形を整えて一枚ずつ皿に盛り付けて供卓す。

参考記事

 雉子、家鴨、鳩類、うずら、しぎ、その他の小鳥類および七面鳥もこの方法で調整し各々の名称を異にす。

一羽のまま調理を可とす。

附 ロースト・ポテト

西洋料理 06 ローストビーフ

第四章 基本調理第二 西洋料理

三、蒸焼き類

(イ)ローストビーフ

材料(一人分)

牛肉ロース 100g

ヘット(牛脂) 適宜

塩 少量

胡椒

調理法

一、牛肉を大切りのまま外面の筋を取り塩、胡椒で味を付け蒸焼鍋に入れその上にヘットを所々に載せ蒸焼きにする。

二、蒸焼中時々肉を出して肉から出るジュース(焼汁)をかける。

三、焼き加減を試すには指で押して弾力があれば焼けているのである。なお不審な時は細い金串を刺して血が出るのは未熟である。桃色のジュースが出るのが適当である。

四、でき上がったならば小口から厚さ二分位に切りて供卓する。

参考記事

この料理は暖かにして供卓する場合と冷たい料理即ちコールミールとして供卓するときは大皿に盛ってマヨネーズ・サラダをその周囲に飾り接客等に供卓する。

多量調理を可とす。

付 ロースト・ポテト

西洋料理 03 ビーフステーキ

第四章 基本調理第二 西洋料理

二、焼き物類

(イ)ビーフステーキ

材料(一人分)

 牛肉ロース 120g

 塩

 胡椒

 ヘット(牛脂) 4g

準備

 牛肉は一人前の大きさに横目の切り筋があるときは包丁で筋を切り去り、一面に塩、胡椒をなしこれを重ね塩味を平均にするごとくおく。

調理法

 フライパンにヘット少量を入れ沸騰させ前の肉を入れ強火にかけ表六分、裏三分位の割合に表面キツネ色を度合いとして焼く。

(注意)

 一、ビーフステーキを焼くために余り多くヘットを用いると油揚げのような気味となって表裏面とも硬く不味となる。また焼くときに焼けたか否かをためすために箸を肉に刺すと肉中に含んでいるジュース(焼汁)が出て栄養物を減じまた不味となる。

 二、焼きながら幾回も表裏を返してはならない。表面が六分焼けた時返し裏を焼くことを心得ねばならぬ。

西洋料理 02 トマト・スープ

第四章 基本調理第二 西洋料理

一、スープ類

(ロ)トマト・スープ

材料

 牛肉(豚肉)

 人参 5g

 玉ねぎ 10g

 トマト 20g

 トマト・ソース 20g

 バター 5g

 麦粉 5g

 塩、胡椒

準備

 牛肉は六センチぐらいの角に切りおく。玉ねぎは薄く切っておく。トマトは適宜切っておく。

調理法

 前記の例に基づいてスープを煮出すときに生トマトを入れ煮沸して別に汁鍋にバター少量を入れ色の付かないように煎りそれに前に煮出しておいたスープ、トマト・ソースを徐々に加えて延ばし人参、玉ねぎを入れ十分に煮て布または裏漉しでむりやりに漉してこれを再び火にかけ塩、胡椒で調味して供卓する。